
特定社会保険労務士になるために
~紛争解決手続代理業務試験受験対策~
6.試験攻略
研修最終日ゼミ3日目の午後に、2時間の記述式試験があります。
問題内容と配点は下記のとおりです。(カッコ内は筆者の点数)
・個別労働紛争に関する問題:70点(41点)
・倫理に関する問題:30点(27点)
2012年度は合計55点以上で、且つ倫理は10点以上で合格でした。
過去問をすでに解かれた方はご存知だと思いますが、決して十分な時間ではありません。
特に、解答用紙にはボールペン書きを行い、修正液での訂正が出来ませんので、誤って記述をした場合に、再度文字を記載できるよう、解答マスの上部に小さめ記述する癖を付けたほうが良いです。
基本的には、参考書籍に記載している「おきらく社労士の特定社労士受験ノート」を基に、過去の問題を解き、内容について理解した上で、定型の解答パターンにはめて記述すれば、難なく合格をすることが出来ると思います。
過去ほとんどの問題について模範的な解答例が記載されていますので、自分でも1から記載が出来るよう、繰り返し問題を解いてみてください。
また倫理については、比較的高い点数が取れたので私の考え方を記載いたしますと、たとえ当事者間では業務を公正に遂行したと考えていても、第3者が客観的に見た際に、該当の行為が少しでも公正でないと考えられる余地がある場合は、社会保険労務士法第1条の2の「公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。」という点に反する可能性があり、ひいては、社会保険労務士法第16条の信用失墜行為にもつながる可能性があります。
この、「可能性がある」時点で、社会保険労務士が持つべき倫理としてはNGという視点で、筆者は解答を記述しました。
公正な行為を証明することよりも、公正でない行為の可能性を証明する方がよっぽど簡単です。
議論の余地がない、まったく問題のない行為を出題しても、社会保険労務士試験を突破された先生方が、誤った解答に陥ることはあまりないと思いますので、出題者の意図を汲み取って、問題となる可能性がありそうな箇所を探す、という思考で望まれてみてはいかがでしょうか。